アイマスとニコマスの境目

リエントリー - はじめてのC お試し版


コメで散々「伝え方」について申し上げた以上、真面目に書いてくれたことには反応したいなと思う。


が、問題が一つあって。
大前提として意見が真逆なんですよ。
自分はニコマスはカルトだと思ってる。
そして現状に異論を挙げる気が全くない。
新規のファンを獲得する必要性を全く感じていない。
そのくらいニコマスは危険なカルトであり、それでもなお愛さずにいられないなら。
覚悟完了したうえで突っ込んで来い、と思う。
よって初めっからかみ合わないんだな。意見が。


とは言えこれだけで終わりにするわけにもいかないので根っこの部分についてダラダラと書いてみた。
興味のない方には申し訳ない。ということで以下格納。

 白状しなければならないでしょう。アイマスファンの創作の集合としてのニコマスには興味があっても、コミュニティの存続を願うこと自体には興味はありません。自らのブログを見る専ブログと呼ばれたくないのも、それが理由の一つです。

 けれど、ニコマスコミュニティには、いや、おそらくニコマスコミュニティだけに、アイマスを世に広める力があります。なぜならニコマスコミュニティの駆動原理は、当初からずっと変わらず「俺の可愛いアイドルはDo-Dai?」であり、そして、その思いが形を取ったものは、ニコマスコミュニティの他には存在しないから。


"ニコマスコミュニティの存続自体に興味はないが、アイマスを世に広めるためには存在し続けて、盛り上がってもらわねばならない"
ここがこの意見の最も難儀なところかなぁ。


アイマスを盛り上げるのは最終的にはアイマス自身の自力なんだと思う。
そういう意味ではこの検討はSPの評価が定まってからの方がタイミング的には良かったのではないかな。
確かにニコマスアイマスの売上、盛り上がりに多大な影響を与えたのは実績としてある。
でもね、それは「勝手にやった」ことなんですよ。
アイマスがあまりに魅力的だから、お目こぼしいただいてる範疇で好き勝手に最高の馬鹿騒ぎしてるんであって。
アイマスのためにニコマスが頑張れってのは話の順序が逆だろと。
過去の実績をタテにニコマスに寄りかかられても困っちゃう。
アイマスの問題はアイマスが責任を持って向かい合う問題なのだから。
そもそもバンナムは既にSPという回答は出すといってるんだから。
周りが文句を言うこっちゃないんでないかな。



ニコマスは、アイマスとイコールではない。
既にニコマスはそれ自体が次のコンテンツを生み出す状況が来ている。
その端的な結果がクリーチャ群であり、ののワさん。
内在的にはニコマスで表現されるアイマスの各キャラだってアイマスのそれとはイコールではない。
そこにあるのは各二次創作者たちの並行世界。
ニコマスは自分たちが生み出したものを内包しながら広がっていく。
表現の形式だってノベル、架空戦記、歌ってみた、作ってみたなどなんでもござれ。
そしてニコマスの長所として他ジャンルとの合流の壁が非常に低い。
この結果、既にニコマスアイマスと繋がりはあっても、別の世界になっている。


自分はこの「ファン活動の公式からの乖離」が、十数年前に許容できずに、同人活動から手を引いた。
で、また今さらながら舞い戻ってきた自分に呆れつつ苦笑してる真っ最中なのだけど。
まあそういう過程で眺めてきた感想としては、ファン活動というのは義務という言葉からは縁遠い場所なんですよ。

アイマスMADは、あるいはニコマスは内向きで良いのだとする主張は、三重の意味で致命的です。まず、それは界隈の漸進的縮小を招き、自滅に向かう行為であること。次に、「アイマスの売上に貢献する」というアイマスMADの大義名分を失うこと。そして何よりも、アイドルを広く一般にアピールする意思を否定した時、彼は既にプロデューサーではないこと。アイマスMADは、ニコマスは、絶対に内向きであることを肯定してはならない。


「帰着」の項で語られた「三重の意味で致命的」とされた事柄。
それは勝手にやった結果そうなるかもしれない。ならないかもしれない。
それは結果でしかないんです。それを義務として持ってるわけじゃない。
活動が縮小しようが、売上に貢献してなかろうが、一般人に全くアピールできてなかろうが、構わないんです。
そりゃ世間への建前論はありますし、中にはそういう志を持つ人も少なからずいるでしょうけど。
ニコマスという活動を大枠で捉えるならばそこに縛りも方向性もへったくれもないんです。
単に好きだからやってるんですよ。あんだけのことを。恐ろしいことに。
伊達と酔狂の果てなんです。
それぞれの二次創作者のマイルールがあり、目的があり、自らの業をそこで焼き尽くすためだけの場所。
それだけの意味しかファン活動は本来持たない。


ニコマスPたちがあまりにもいい仕事をしてくれるから。
結果的にアイマスの盛り上がりに繋がったから。
はじCさんは誤認したんじゃないかなと思う。
本来はじCさんが求める対象は、アイマス側なんじゃないかな。
アイマスニコマスの境目にそれはあると思います。


まあオタクの一般化に伴い、メーカー側がファン活動を一つの武器として使ってきているのは事実です。
それはマスメディアであったりメーカー側の取り組みであって、功罪両面のあるアプローチだと思う。
ぶっちゃけていえば、大人ってずるいよなぁと苦笑しつつも金を突っ込み、その恩恵を受けてる自分がいる。
それは否定しない。
でもね。やっぱり最後の一線はあると思う。
ファン活動に義務なんてものは存在しないのですよ。
それを超えるとしたら、それは公式にMADが認められる世界になってからの話じゃないかな。
その時にはニコマスそれ自体の変容も免れないけれど。