THE IDOLM@STER CINDERELLA GIRLS 5thLIVE TOUR Serendipity Parade!!! 感想メモ石川編


宮城編より続く……。いつ書き終わるんだこれ^^;


宮城のライブを見終わった時、こんな感じでやってくんだろうなと思ったのだ。
シンデレラらしいエンターテインメントを全面に押し出したライブ。


舞台装置も豪勢になり。演者も新曲をもらった中堅どころに新たなメンバー。
うん、エンタメをやりきるだけの弾は充分ある。何も心配ないなと。


結局のところ、石川で自分が受け取ったものはちょっと違ったのだと思う。
石川のライブがエンタメじゃなかったわけではないのだけど。
こんだけ長々感想書かないと経緯がわからんなぁと感じた理由はそこで。


要するに、石川のライブで自分はこのツアーがよくわからなくなったのだ。
とまあそんな話をつらつらと。


アイドル力

端的に言うならば、石川のライブはアイドルらしさが前に出てたと思う。
いや、普段がアイドルらしくないというわけではないのだけれど^^;
より昔ながらの歌番組っぽかったと言えば伝わるだろうか。


ソロのトップからぶちかました牧野さんはまあ言わずもがなだし。
それに続くのが台本さえあれば鬼の演技力を見せる種崎さんの恋のHamburg♪。
そして藍子の青空リレーションがこれまた心地よい暖かさと爽やかさで。


ステージで楽しいものを生み出して見てもらおうではなく、
自分がステージを頑張ればきっとPは楽しんでくれる。
そんな思いがあの会場全体に溢れていた気がする。


中でも印象に残ってるのがオリジナルメンバー抜きの私色ギフト。
あっさむが他の3人を引率して辺りを散歩するようなイメージで観てたんだけど。
観てる時点でもう、オリジナルと比べてどうこうという感覚じゃないんだよね。
彼女たちが彼女たちらしく、ステージにいたその景色がうれしくて。
歌詞にある通り、彼女たちが着実に一歩前へ歩んだんだなぁって思った。


ステージで楽しいことやってるから楽しいんじゃなくて。
彼女たちがステージの上で、アイドルとして着実に歩みを進めていく。
そんな彼女たちとコールアンドレスポンスができる。
なんならそこにはコールすらいらないのかもしれない。
笑顔と笑顔でそれができてることを疑わない。そんな喜び。
石川の前半は、特にそういう趣が強かったのだと思う。


で、そんなあれこれを考える余裕を吹き飛ばしたのが、
ヴィーナスシンドロームだったのだ。



もう一つのアイドル力

大阪とか福岡にも地元凱旋組はいたわけだけど。
本州日本海側というのは故郷の重みがやっぱ違うんだろか。
ツアー通して、地元凱旋というのがあれほどのブーストをかましたのは他にないと思う。


あのとき洲崎さんから感じた迫力。
うん、アイドルへの賛辞として迫力というのはどうかとは思うんだが。
会場のあらゆるものに対してあの時あの場所を何一つ決して譲らないオーラ。
それもまた、アイドル力の一つだと思うのだ。


これまでだって一応新田美波のステージってのは観てきたはずなのだ。
ライブでも観てきたし、アニデレでだって観てきた。
そんな自分が観てきたものからは想像できないくらいに強くて、綺麗で。
あれはもう技術がどうのとか才能がどうのとかそういうんじゃなくて。
純然たる意志の強さ、と言っていいのだと思う。


あれは洲崎綾という役者の意志だったのか。
それとも新田美波というアイドルの意志だったのか。
正直なところ、わからない。
ブーストがかかったのはもちろん洲崎さんに対してだったのだろう。
でもあのステージを観て、素直に俺は「新田美波ってすげえ」と思ったのだ。
少なくともそこに違和感なんてものは欠片もなくて。
だからこそ役者がステージに立つって面白いんだなと、今は思っている。



表現

そんなヴィーナスシンドロームを受けたあいくるしい。
この日の牧野さん最大の見せ場はここだったなぁと思う。


ああ、これこそが佐久間まゆなのだと。
普段の丁寧で柔らかく、それでいて十分に重みのある口調の奥底にある情念。
それがステージと楽曲により、拘束を解除された瞬間。
ほんとに文字通り、背筋が震えた。


自分の中に生じた感情が、あいくるしいと呼ぶものなのかは、分からない。
ただ少なくともあのとき彼女を眺めていて、くるしかった。狂おしかった。
純粋に表現でそれを掻き立てられるということが、怖かった。


それでいて頭の片隅では「これだからアイマスはたまんねえ」って笑ってる自分がいた。
この辺り、本当に自分で自分をつくづくろくでなしだなぁと思う^^;


うん。俺にとって石川のライブは、アイドルの凄まじさを再認識するライブだったのだ。




そして不可思議な後半

石川の感想ってこんな感じで、一部を除くと前半ばかり印象に残ってたりする。
観終わったときからそこは不思議だったんだけど。
多分理由の一つは、Sweet Witches' Nightだろうなぁ。


なんだろうね、あの曲は。
個人的にはブラックホールみたいな印象があるんだけど。
石川の後半をあの曲が全部飲み込んでしまったような。
あの異界は、そんな魔力を持ってる気がするのだ。
まあなんつーか、演者もそのくらいのことはやっても不思議じゃないメンツだしなぁw
わりとシンデレラの中でも異能な曲だと思うこれ。


そんなブラックホールにも負けなかったのが、二日目のHotel Moonsideで。
個人的には3rdでは完全に舞台装置の一つだよなーと思っていた。
4thではちゃんと舞台を支配するボスとして立ってくれたのを観てうれしかった。
そして5thでようやく、楽曲の手綱まで完全に握ったなーと思った。


体が勝手に、リズムを刻んだ。
目が釘付けになって、離れなかった。
二年前どころか、昨日の景色とすらぜんぜん違う何かがそこにあった。
俺が観たかったものが、そこにあった。


3rdの時点でここまで期待してた自分が無茶苦茶なのかなーとも思うが。
いきなりあんな大仰な舞台装置つくる美城常務理論もそら無茶だろうとも思う。
この辺、アイドルに対する考え方の違いってことなんだろうけど。


うん、でもたどり着くところはおんなじだったんだなーとも思うので。
見事なステージを見せてくれた飯田氏と速水さんに、心から感謝と喝采を贈りたい。
そのくらいあの二日目のステージは目に焼き付いてるし、耳に残っている。



Paradeはどこへ向かうのか

冒頭にも書いたとおり、宮城のライブはシンデレラとしてはオーソドックスだったと思う。
一つには、センターを務めた松嵜さんの存在は大きいだろう。
彼女がシンデレラガールズの根っこの一つであることは間違いなくて。
俺が感じているシンデレラのエンタメってのも、彼女が育てたものの一つだろう。


石川のライブも、もちろんバトンを受け取ったところはあって。
例えば役者達のライブを一緒に作るんだという姿勢なんかがわかりやすいと思う。
そうした繋げていくもの、大事にするものを共有しつつ。
石川のライブはアイドル力という牧野さんらしさと自分が感じるものが前に出ていた。


Paradeって、二つの種類があると思っていて。
一つはParadeそのものを見せるのが目的のもの。
もう一つは、Paradeの終着点に目的があるもの。


始まる前は、後者だと思っていた。
SSAにあるシンデレラ城が目的地なんだろうと。
そこで見せる大一番のために、ツアーが組み上げられていくのかなと。


でも石川のライブを見終えた時に感じたのは、個々のライブの独立性だった。
両方のライブに共通するものは、どちらかというと役者側の中の話で。
ショウとしては、一つずつ完結して見えたのだ。
Paradeそのものを見せるのが目的であるかのように。


新たなメンバーを加えつつ、歴戦の連中がそれぞれにライブを作り上げていく。
それが示す未来ってなんだろう。
ツアーが終わった今ではなんでこんなとこで首かしげてたんだろう俺と思うんだけど^^;
まあそんなわけでとても楽しかったけど、謎が深まるライブだった。




ということで、大阪編へ続く……といいな。