THE IDOLM@STER CINDERELLA GIRLS 6thLIVE MERRY-GO-ROUNDOME!!!感想
ドームの広さとご厚意でチケット譲っていただけたおかげで全部現地で見てきました。
4DAYSを通しての感想をざらっと。
打てる手を打つということ
客としてはステージ上で見せてくれたエンターテイメントが最重要なのは事実だけど。
それでも今回はまずこのドーム公演を作り上げたスタッフの凄さがまず一番かなぁ。
M@STERS OF IDOL WORLD!!でやってた経験というのも大きいんだろうと思う。
動線管理をしやすいステージ構成、グラウンド内で完結するメリーゴーランド。
光の演出を最大限に活かして、お得意のステージ上の大画面は封印。
そしてドームだからこその天井をスクリーンにした投影の数々。
進行も徹底して時間管理がしやすいように挨拶もMCもあらかじめ構成して。
アイドル達も全員個別衣装で遠くからも一目で誰かわかるようにして。
数々の衣装やパフォーマンスで楽しませてくれたダンサーさんたちも素晴らしく。
そしてなによりSS3Aという本番のステージで6thの準備ができる機会があって。
もうこれ、ドーム攻略戦だよなぁと思わずTwitterでつぶやいたくらいに徹底してた。
そういった取り組みがあったからこそ、ドームの広さに負けなかったんだと思う。
そりゃまあナゴドの音響辛そうだったなぁとかさ。
クレーンカメラがスクリーンの前をぶんぶん通るのどうにかならんかったんかとかさ。
惜しいと思うことはある。そりゃある。しょうがない。
惜しさ以上に、こんだけドームという舞台で全力を出させる手を尽くしたと。
そのことがある意味では演者たちのパフォーマンス以上にインパクトがあった。
こんだけシンデレラたちの舞台を練り上げたってことがすごく印象深いライブだった。
土産話
そうした準備や土台の上に繰り広げられた演者たちのパフォーマンス。
MASTER SEASONSに沿った春夏秋冬の遊園地で過ごす物語。
昼から夜への時系列の流れを縦糸に、季節の変化を横糸にした織物のような。
4日間で出来上がる色とりどりの景色があった。
四季折々というのがメインテーマではあったのだけれど。
印象としてはむしろ個々の日単位での時間の流れの方に注力していた気がする。
ソロ曲を複数名でやるのもあり。見せたいオリジナルユニットがあればそれもあり。
手札の数には困らない集団なわけで。最後のブロックで手詰まる心配がないのだから。
メリーゴーランドを使えばダンスの負荷が下げられるのもドームならではの利点かな。
まあ思う存分やってこいやって感じのセトリだった。
そうだなぁ。前回の5thが結構がんじがらめの力技なセトリだったから。
余計に今回が伸び伸びとセトリ組んできたなって感じたのだと思う。
今までの自分たちに縛られない。でも自分たちの大事なものもちゃんと伝えたい。
そういうのがほどよくバランスとれたのかなと。
5thってのを自分はリセットボタンだったと思っている。
それまで築き上げたシンデレラの王国を練り歩くパレード。
自分たちの歩いてきた道のりを再確認したうえで、Treasureで新たな旅を選ぶ物語。
海図があるのかないのかすらわからない未来への航海を始めるという宣言だったと。
MASTER SEASONSを始めとするこの一年の展開は、旅立ってからの1年間の物語で。
新しいユニットで見た景色があって。新しい仲間との出会いがあって。
昔から積み上げてきた仲間との挑戦もあって。
6thってそんな一年間の旅を終えた彼女たちの土産話だったのかなと。
色んな出会いがあったんだよ。今ならこんなふうに歌えるんだよ。
私たちこんな景色を見てきたし、これからも見たいんだよ。
とても一日じゃ語りつくせない、膨大な土産話。
セトリを見ながらちょっと思い出すだけでも、
Radio Happyはやっぱり空と繋がってる場所で響き渡るのが最高だとか。
Wonder goes on!!の4人が、並んで出てきたAsteriskの笑顔がたまらねえとか。
貫録を通り越してもはや豪壮さすら感じるLIPPSの連中の格好良さとか。
ドームを駆け抜けた「俺たちのウサミン」の姿とか。
in factがようやっと等身大で見せた景色とか。
歌やダンスのさらに前面に演技をぶち込んで魂狩り取りに来たわたぐもとか。
共鳴世界で見せた奏の思わぬ厨二適正の高さとか。
間近で見たAbsolute NIneの島村卯月がどんだけ強かったかとか。
山紫水明が見せた組み合わせの妙とか。
Sweet Witches' Nightの癖になるような魅惑の世界とか。
スタンドマイクという選択がすごくいい方向に働いたAnemoneStarとか。
圧を詰めに詰めて爆発ぎりぎりの緊張感で見せたLove∞Destinyとか。
舞台を重ねるごとにどこまでも強くなってみせる毒茸伝説とか。
individualsが両翼に開いたら用心せいとか。
ここぞというところで確実にいい仕事するあんきらの頼もしさとか。
全ドームが若衆になったおんなの道は星の道とか。
ロックスターとしての威風漂うだりーなの立ち姿とか。
これしかねえってくらいドンピシャでぶち込んだNation Blueの意地とか。
駆け足で思い出したってこれだもの。
強くなったなぁシンデレラ。そりゃ自分の足で歩くと豪語もするわ。
ゲームで、アニメで築き上げた自分たちの王国を後に船出した。
その結果としては最上級のものを得てきたし、見せたんじゃないだろうか。
Always
ただ、なんだろうなぁ。
うん、これを言うのは蛇足なんだろうとは思う。
でも多分今回のライブを考えるうえで避けられないのだけれど。
Alwaysはなんつーか、しんどかったなぁ。
SS3Aで新たにステージに立ったアイドルたちがぶつけてくる分にはまだよかった。
うんまあそれは俺じゃないよって思いながら眺めてるだけで済んだんだ。
でもニュージェネを筆頭にずらっと並んで真っすぐ打ち込まれるとね。
さすがに、しんどい。
自分はシンデレラの誰も選んだことがない。
比較的気に入ったアイドルはいるけど、全てのアイドルが好きなわけでもない。
興味のないアイドルもいれば、どちらかと言えば苦手なアイドルもいる。
だから、そのありがとうを受け取る相手じゃないんだよ、と思う。
アイドルと向かい合うクローズドな世界。
それがあることは当然だと思うし、別にそういう有り様を否定はしないのだが。
シンデレラの世界がステージの上でもそこを中心としますよと言われると、少々困る。
それはアイドルという世界の成り立ちで言えばアイドルとファンの抱く共有幻想で。
俺は何の因果かプロデューサーって魔法をかけられちまったのでなぁ。
いやまあ実態はファンじゃんと言われたらまったくもってその通りなんだが。
ごっこ遊びとはそういうものなのだ。約束事というのはそれなりに大事なのである。
俺が見たいのは彼女たちをまだ知らない奴らをぶん殴りに行く背中であって。
お前らに真正面からんなこと言われても困るんだよというか。
まあそんな気分なのである。
1年分の土産話をしたから、ふとそんな流れになったのかなぁとも思うんだが。
フロンティアはうんわかる。君への詩もまだわかる。
ただ、Alwaysで殺しに来られるといやお前ちょっと待てとしか言えないし。
シンデレラが今後そういうものを俺らに見せていきたいんだと考えているのなら。
最後のところで相容れないなあと。
まあシンデレラの方向性が俺の望む方向じゃないなんてのは当たり前のことで。
むしろこちらの要望をそのまま叶えてくれるなんてのを考える方がおかしいので。
別にそれが理由で何か自分が変わるかというとそんなことはないのだが。
なんだろうね。ああいつかは道が分かれていくんだろうなーというか。
そんな当たり前のことに気づかされたなと。
とはいえ今の時点ではほんとシンデレラを存分に楽しんでるなぁ俺、と思う。
最近だと一番気に入ってるのはindividualsだろうか。
彼女たちがやってるのはそれこそ自分たちに気づかせるということだと思っていて。
その背中をしばらく眺めてたいなぁと素直に思う。
あいつらのワクワクをどうすればもっと大きな遊びにできるだろうと考える。
そういうのは他のアイドルたちにも大なり小なりあったりするので。
多分しばらくは変わらずにこの世界で遊んでるんだろうな。
そうだなぁ。ついでに言うなら追加される7人のアイドル。
あれもね。個人的にはほんとは困るなぁとは思ってる。
俺はできればまず今いるアイドルたちの物語をもっとどんどん掘り下げてほしいから。
リソースが分散されるとその分待ち時間が長くなるのは必然なので。
そういう意味では、正直うれしくない。
でも、最終的にはいいことだなーと思っていて。
今更アイドルを増やす方に舵を切ったってことは、風呂敷包む気なくしたんだろうと。
シンデレラって風呂敷はもう包むの無理って状態にずいぶん前からなっていて。
アイドル全員に声つけるのもソロ曲作るのもまあ無理だろう。
どうせ無理なら包むの諦めて、むしろ風呂敷をさらに広げちまえと。
無限に広げた風呂敷の上で繰り広げられる未完成の世界でいいんだと。
そういう判断をしたんだろうと思っているから。その心意気は、嫌いじゃないw
目的や好みが違ってもいい。そんなのは当たり前だ。
たまたま縁あって今一緒に遊べるなら、それでいい。今をしっかり遊べばいい。
まあしばらくは道連れでいけそうな気もするので。
これからもよろしく、くらいはAlwaysの返事として伝えてもいいのかなぁ。
アイドル達には頼りないなぁと怒られそうな気もするのだがw