「じっくり語り語られてみよう」参加エントリ No.20

イベント 『じっくり語り語られてみよう』に参加し,作品について語っています.作品へのネガティブな表記・ネタばれを含む場合がありますが,イベントの趣旨に乗った上での記述とご理解ください.他の方の語り記事一覧 → 『No.20: together 4 ever−From ポップン15−(真ソロ)

きゃのんP


【語り視点の注文】
前回もこの企画で色々語っていただいたのですが、その時同様、この作品を見た方が「ティン☆」ときたポイント・こなかったポイントを率直に語っていただけるとありがたいです。

前回の作品とは色々と傾向の違う作品になってますので、比べてみてどうか、という視点のお話でも結構です。




いつか記事にしたいなぁと思っていたPにこの企画で向き合うというのは、なんというか、心の準備ができていないのですよw
ということでいつもより心拍数が上がり気味なのですが、精一杯語らせていただきます。
以下、格納。








「ティン☆」ときたポイント
全力で、最大出力で真テンコ盛りなところ。
なんの説明にもなってないなwでも本当にそれ以外の表現がない。
つまり、この作品は真のダンスで他の何かを伝えるんじゃなくて、全力で真の魅力そのものを見せることだけに専念してる。
真自身が主役であり主題。他の要素が極端にない。
見事なまでに一貫して「真本位主義」な作品だと思うのだ。
そこにたまらなく「ティン☆」とくるわけで。
まあ言ってしまうと自分にとってきゃのんPの作品の魅力はそこに尽きる。
どの作品であっても、変わらず照準は「真の魅力」に向けられているというか。
それがこの作品でもやはり最も気持ちいいところであり、伝わってくるものだと思う。


この作品ならでは、という点をあえて挙げるとするなら、「明度」の表現だろうか。
最初の白黒シルエットに始まり、様々な光の中踊る真の色合い。
その表現がとても細やかで、綺麗だなぁと思う。




「ティン☆」とこなかったポイント
自分の捉え方だとちょっと難しいお題である。
上に書いたとおり、自分の見方では基本的にきゃのんPの作品というのは一点突破ではなく面制圧型の作品だと思うのだ。
故にポイント、というのが非常に突きづらい。
一つの点の表現は、次の点の表現も踏まえてみられるべき作品だと思うので。
点と点のつながりで見ると、「ティン☆」とこなかったという感覚がもてない。
なのでこれから書くのはどちらかというともっと魅せてー!というポイント。
つまり贅沢なお願いであることを最初にお断りしておく。


気づいたのは2点。
一つはバックに真の静止画アップを置いて、前で真が踊るシーン。
これは演出としてはむしろ真に魅了されるシーンなのだけど、魅了されるが故に、バックの静止画をもっとはっきり見たくなる。
前にいる真も魅力的なのだけど、後ろの真も捨て難く。
どっちもじっくり観たくなって頭がショートするというか。
スクロール速度あげて後ろの真も見せてくれー!と言いたくなる。
ただ、曲調を考えるとあそこのスピードはあれが適切なのもわかる。
そういう意味でないものねだりかな、やっぱり。
そのあとの入れ替わりシーンまで考えると重ねることに意図も感じるし。


もう一点は終わり方。
ストンと落ちるというか、ちょっと唐突な終わり方に感じる。
それは曲自体の構成として盛り上がりを作るタイプの曲ではないので致し方ないことだとも思うのだけど。
最後、ステージに戻すんじゃなくてOPみたいなシルエットでもよかったかなーと。
その前のシーンの真がすごく綺麗で幻想的なので。
そのままエフェクト系の空間、表現に置くことで流れを保ったまま終わる方が失速感が少ないかなと思う。


ちょっとだけひねくれて考えるなら。
ラストを敢えてステージにしたのは、理由があるのかなとも思う。
実はあのエフェクトは見てる側の脳内にだけあって、実際は真はずっとステージで踊ってて。
あのふっと寂しくなる終わり方は、魔法が解けてしまったときのあの感覚を表現したものなのかなと。
うん、多分これはいつもの暴走のような気がするw


前回の作品と比べて。
当時自分はまだブログを始めてもいなかったころなので、語るという感覚で見たことがない。
なので改めて拝見して、今回の作品と考えてみた。
…うーん、やっぱり基本変わらないんだよなぁ。自分の中では。
どちらも凄く真本位主義で。素敵な作品で。


わかりやすいのは前回の見せ方は歌と表情を押し出してること。
その点で今回のダンス中心の見せ方とはまた違った空間。
これはたぶん前回の作品は歌が日本語であり、かつ真にドンピシャではまる歌だったことが大きい気がする。
今回は歌よりも曲のメロディとリズムが真に合っているので、そこをキッチリ詰めてきた。
この辺の見極めというか、メリハリの効かせ方は流石だなと思う。
でもどっちもやっぱり真に見惚れるばかり。


うん、やっぱり根っこは一緒な気がするなぁ。
変わらない確かなものがある。
それはプリズムのようなもので、光を通すと七色の煌めきを放つ。
前作も今作も、その色合いの違いこそあれど。
それは同じ真というキャラクターの持つ魅力が放つ、色彩の一つ。


時に少女っぽい可愛さを。時に元気な仔犬のように無邪気な笑顔を。
幼さの中に宿る凛々しさを。切なさを。力強さを。愁いを。
真はアイマスキャラの中でも屈指の多様性をもったキャラだと思う。
それは時にはギャップにもなるし、時には多感な少女の持つ様々な魅力として現われる。
そんな真のそばにいて、ずっと真を見てきた人。
真で何かを見せるのではなく、真の何かを見せる作品。
それを絶えることなく、ずっとニコマスの最前線で作ってきたP。
それが自分の中にいるきゃのんPの印象だ。


ほんと、真は素敵なPに巡り合ったなぁ。