贈りもの

エムP



いつの日にか、千早はこんなふうに歌えるんだろうか。


弟の記憶と、どのように生きてゆくのか。
それは千早の人生における一つの課題。
アイマスのED時点では、まだ千早はこの歌をそのままは歌えない気がする。
でも、いつか。歌えるようになってほしいと願う。


普段の千早は自分の思いを言葉にすることがとても不器用で。
その不器用さが逆に歌う力につながっている気もする。
たまりにたまったものが一気に吐き出されるような。
特にゲームで低ランクの時の千早はそんな感じかな。
歌い続けないと息が詰まって死んでしまいそうな。
歌うことでしか自分の居場所は作れないと信じ込んでいるような。
それがなんだか見ていてとても危うくて。


そんな千早が少しずつ、少しずつ変わっていって。
自分が壊れないために歌うのではなく。
人の心に伝えるために歌えるようになる。
その過程が、とても好きだ。


はっきり言ってしまえば、この歌は千早にとって諸刃の剣だ。
この歌と巡り合う時期によっては、強烈な毒にもなる。
でも歌っている千早を見ていたら、大丈夫かな、と思った。
きっとエムPもそこは考えたんじゃないかな。
千早と一緒に歩いてきて、大丈夫だと考えたからこの歌を贈ってくれた。
そんな気がする。そう思いたい。


千早にとって一番の贈り物。
それは『信頼』なのかもしれない。
素敵なプレゼントを贈ってくれた、エムPに心よりの感謝を。