ダンスシンクロの先を考える

きみP
アイドルマスター 「あなたとあくしゅ」
アイドルマスター 「あなたとあくしゅ」


きみPの作るダンスMADが大好きだー!


というのは毎回のごとく言ってるので今更強調する必要もない気もするのだけど。
かなり長いこと、この作品の気持ちよさについて考えてた。
正確に言うと、ふわふわ感について。


ダンスMADにおいて、拍や音をとるシンクロというのはひとつの指標なのは間違いない。
それはそうなんだけど。
実際に動画なり舞台なりでダンスを楽しむ、と言ったときにはシンクロしてるかどうかだけではないわけで。
そこに何が表現されてるかであったり。
躍動感であったり。間合いであったり。
なんだか言葉に出来ないものであったり。
色んなものを観てる気がするのだ。


本作を見たときにたぶん誰もが思うこと。
「なんでこの衣装なのw」
うん、自分も思った。2828しながら思った。


ただ、考えれば考えるほど。
この衣装が妙手なんじゃないかなぁと思っている。


もしこれがスクールウェアだったら。
少しダンスが重く見える気がする。
じゃあラフタイムスクールにしたら。
うん。軽やかなんだけど。
多分あのふわふわ感はないと思うのです。
ストン、と着地してしまうというか。
まぁこの辺脳内再生で比較してるので正確ではないのだけど。


チャイルドスモックのあの裾広がりの形が。
このダンスに浮力を与えてる気がするのですよ。
下に降りるときに風の抵抗を一番受けるあの形が。
観てる側の脳に浮力を産むんじゃないかなぁと。


そして足元のルーズウォーマーが、雲のような印象で。
もう一押し浮力を足してくれて。
更に野外ステージの開放感が、空気の軽さを生んでくれて。




そういうものを積み重ねた上にこのダンスがあるから。
少し鼻にかかった感じの声とあいまって。
絶妙のふわふわ感を見せてくれるんだと思う。


同じダンスでも、同じ拍を取っても。
上に書いたような積み重ねがあるとないとではぜんぜん違う気がするのだ。




そう考えたときに。
拍をとるということそれ自体は大切だけど、ダンス表現のごく一部なのかな、と思った。
あらゆる要素を積んで、その結果としてダンスの心地よさは生まれるんじゃなかろうかと。


もっといえば、拾ってくる音をドラムにするのかボーカルにするのか。
拍を動き出しで拾うのか、動きの頂点で拾うのか。
足で刻むのか腕でもってくのか。
動きで取るのかキメの位置で取るのか。
いくらでもシンクロそのものにだって構築の仕方はあるんだろう。


きみPの作品はそういうものがとても丁寧に構築されていて、
その結果、格別のダンスMADになってるんじゃないかと思う。
そしてそれに自分は魅せられて。
ずっと追っかけてるんだろう。




もしダンスMADを観て、なにか違和感を感じたら。
自分が普段意識してない他のものに合わせてるんじゃないか。
そんな感覚でまた見直してみるのも面白いと思うんだ。


うまく見つからないこともたくさんあるかも知れないけれど。
ひょっとしたら新しい何かを見つけられるかもしれない。
そんな瞬間を、自分はいつも楽しみにしている。


思えば自分がニコマス見始めてしばらくの間見惚れていたのは、
観月Pのダンスに感じた間合いだった。
リズムももちろんあるんだけど。
全体の流れの良さというか。
もう少し長いスパンでのまとまりの心地よさ、そして手の動きの余韻。
そういうところから入ったんだよな、自分。


ダンスMADも、きっと色んなものを語ってくれてると思うんですよ。
見る側の思い込み200%なこともいっぱいあるんだろうけどw
思い込みで面白くなるんだったら、それはそれで楽しいことだと思う。


今更何を当たり前のことを書いてるんだ、という方もいっぱいいらっしゃるとは思いますが。
3年以上もずっとニコマス観続けてきたんだから。
門外漢がその中で少しずつ覚えてきたことを書き留めておくのも、たまには大事だよねと思ったので。