2010年上半期ニコマス20選作品のタグを数えてみた:その他一般タグ編

話の経緯と全体のリストはこちら
アイドル編はこちら
ニコマス固有タグ編はこちら


なるべく早くとか言い出すと結局書くのが遅くなるの法則発動orz
20選タグ記事も今回で最後。その他一般タグ編になります。


計19タグと一気に数は減りましたが、それでもやはりよく見るタグが目白押し。
これらとニコマスを絡めて何が書けるか自分でも全くわからないのですが、
指の誘うままにつらつらと。
感想ならびに個人的ピックアップとともに以下格納。

ニコマス固有タグ編一覧

世界の新着動画完走組   138件
もっと評価されるべき   137件
MikuMikuDance   134件
おっさんホイホイ   133件
謎の技術    32件
TRPG    29件
謎の感動    27件
サムネホイホイ    26件
人力VOCALOID    25件
手描きMAD    24件
beatmania    23件
期待の新人    22件
紙芝居クリエーター    19件
歌ってみた    18件
紳士の社交場    18件
全体的にどうなってんだ    17件
どうしてこうなった    16件
レスリングシリーズ    16件
そっと評価されるべき    15件

全体として

完全に4大タグとその他、という構図になりました。
ここまで綺麗に結果がわかれたのは少々意外。
まあそれだけ4つのタグがニコニコにおいて浸透してるということかと。


それぞれを見てみると、なんだかちょっとしたニコマス史を眺めてる気になります。
ニコニコ動画のサービスとして途中から追加された世界の新着動画から「世界の新着動画完走組」
古くからジャンルを問わず使われてきた「もっと評価されるべき」
ニコニコ動画で育ち、上半期にニコマスとの化学反応がもっとも進んだ「MikuMikuDance
そしてニコマスから生まれ、今やジャンルを問わないタグへと広がった「おっさんホイホイ


それぞれ異なる背景を持って生まれたタグですが、どれもニコニコ動画上で流れを形成してきたタグ達。
母数がかなり違うと思うのだけど、結果として同じくらいの数が挙げられてるのが不思議なところ。


以降の流れは傾向をざっくり見ると、ニコマス固有タグの流れと何となく似通ってる気がします。
ボカロが来たり、手描きが来たり。「期待の新人」タグが一定数ある当たりも含めて。
それは逆に、ニコマスの固有タグが一般タグと同じくらいの語彙をもってるということなのかなと。
タグの面から見てもニコマスはなんでもありで、それを受け止める環境があるんだなぁ。
そう思います。

現れた新たなる可能性

MMDのモデルの進化がステージ表現に新たな可能性を見せてくれたこと。
それはやはり上半期においてもっとも衝撃的な出来事で。


七夕革命はアイドルたちをステージから開放したけれど、
MMDはアイドル達をあらゆる身体的制限から開放した。
アイドルマスターというゲームそのものが持っていた
カメラワークの限界からも開放したのだと思います。


それはひいては従来のアイマスステージと改めて向かい合うことや、
ねんぷちをはじめとする非汎用素材による表現の見直しまで。
潜在的ニコマスのありとあらゆる表現に色々な形で影響を与えた気がします。


そんな今期を彩ったMMD作品のなかからは、こちらをピックアップ。


m6氏
【アイマス+GS】律子&律/Jive into the night【MMD】
【アイマス+GS】律子&律/Jive into the night【MMD】


MMDモデルの進化で一番のポイントはやはり「不気味の谷」を回避した点だと思うけど、
その上で何を表現の中心にもってくるかというのはやはり大事だと思う。
自分がそれを実感したのがこの作品。
律子モデルと富竹PのGSモデル、冬月律のデュオが見せてくれる世界は、根本的に楽しさに溢れてる。
画の柔らかさからも伝わってくるのは、リアリティよりも心地良さを優先した空間。
それは背景で踊る星々や、律子と律の心から楽しそうな表情。
そしてぐいっと動かすカメラワークの気持よさがもたらすものなのかなと。
同じく多数となった「もっと評価されるべき」タグが付くのも納得の1作。



タグが育つということ

ニコマスのタグでもあるのだけど、いいタグって育つんだなぁと思います。
そのタグが定期的につくようになって、数が少しずつ増えて。
そこから細分化したタグが現れたり、少しフォローする範囲の異なるタグが生まれてくる。
そうして世界が広がっていくのを追っかけるのは、実に楽しい。


そんなタグの中で最近お気に入りなのが「そっと評価されるべき」
このタグの、矛盾してそうで矛盾してないその感覚がとても好き。
もっと知ってほしい、でも、そこに手を伸ばすときは。
大切な物に触れるということの意味を知った手であってほしい。
思わずそんなふうに願ってしまう。


「もっと評価されるべき」とは一線を画した意味合いが宿ったところ。
それが、このタグの居場所なんじゃないかと。
こちらからはこの作品をご紹介。


tokishinP
アイドルマスター 如月千早 「今だってきっとまだ間に合うはずだから」
アイドルマスター 如月千早 「今だってきっとまだ間に合うはずだから」


― Horizon ―で観た千早の横顔で、「あ、この人の世界もっと観たい」と思った。
それ以来tokishinPの作品をもう一度さかのぼって見返して、そして今も追っかけてたりする。


本作もそんな世界を観たいと感じさせてくれる作品。
千早の生き方と千早のステージが繋がっていることを、しっかりと見せてくれた。
ステージで感じるその熱量と強さの源。
そこには痛みも苦しみも、そして願いもあるということ。
決して綺麗事だけではない。そんな当たり前のことから逃げない強さを示してくれてると思う。
ぜひ大切に、見てほしいなぁ。



ジャンルを超えて

長々タグを頼りにここまで書いてきたわけですが。
最後はニコニコのド定番タグで締めようかなと。


ニコマスの特徴の一つは、ジャンルをまたぐことの垣根の低さがあると思ってます。
ニコマスはなんでもあるよ」と前回書いたように、基本どんなジャンルでもまずは楽しむ姿勢がある。
それがいいところだよな〜と思う。


ただ、「歌ってみた」くらい大きなジャンルとの組み合わせとなると。
ニコマスの視聴者は画に関してどうしても目が肥えてるし。
多分「歌ってみた」の視聴者も耳が肥えてるし。
お互いのジャンルで納得される作品って難しいのかなとも思います。
それがこの一般タグの中でも思った以上に数が多くなかった理由かなと。


とはいえ、そこを突き抜けてくる方がゼロではないことがこの界隈の面白いところでもあって。
そんな歌も画も心に届く、作品をご紹介。


いけP
【廃マス】最愛/アイドルマスター【祝千早誕生日】
【廃マス】最愛/アイドルマスター【祝千早誕生日】


ClubNightsの時にも思ったのだけど、歌声のリアリティというのは実に強い。
そこから伝わる情感というのは、時に画を経由するそれを突き抜ける時がある。
「歌ってみた」の良さというのは、そういう人間味が伝わるところにあると思ってます。


この作品はその伝わってくる人間味が、歌のみならず、画にもにじみ出ていて。
聴いて観てて思わずこっちまで嬉しくなってしまうというか。
バーカバーカとコメを打ちながら、同時にありがとうと言いたくなるw
「謎の感動」タグが一時期ついてたのも納得の一作。
大人だからこそできる、粋な遊び方だよなぁと思います。



最後に

長々と20選のタグを巡ってきたわけですが。
振り返って思うのは、ニコマスはまだまだ、それこそ思わず苦笑してしまうくらい楽しい場所なんだなと。
いろんなジャンルがそれぞれにあって。
こんだけの人が集まって。それぞれのジャンルを「俺は好きだぜ!」という人達がいる。
それだけでも、十分そこにいたいと思わせる界隈だと思います。


そりゃ楽しいことばかりじゃありません。
でも、清く正しく美しくじゃなくて。
時に声を荒らげてつまんないことに本気でぶつかったりもできる。
そんなどうしようもなく人間らしいこの界隈が好きです。


時に飽きたかなって思う時もあるかもしれない。
その時にしばらく忘れてたって構わないんです。
ふと思い出して立ち寄ってくれたら、よろこんで「おかえり!」って迎える奴らがいっぱいいる。
まだまだ、本気で馬鹿を楽しむ仲間たちがいっぱいいます。
それを、素直に自分は喜びたい。


そんな世界がこれからも、屈託なくいろんなジャンルと交わって。
いろんな世界を見せてくれたら嬉しいなと個人的には思ってます。
時にお隣りのジャンルを覗いてみるもよし。
ひっそりと世界の片隅に咲いた花を愛でるもよし。
楽しみ方は無限にあるんだから。


それでは。
来年の1月、また素敵な馬鹿騒ぎが出来るのを楽しみに。