本気と書いてマジと読む世界

介党鱈P
【温泉】ぷよm@s part22【まだか】 ‐ ニコニコ動画(原宿)
【温泉】ぷよm@s part22【まだか】 ‐ ニコニコ動画(原宿)


諸々で書くタイミングをすっかり失っていたのでどうしよっかな〜と思ってたのだけど。
Vineger56%さんの熱に思いっきりあてられたのでやっぱり書く。


今回のインターミッションで思ったのは、ある意味ここまでがプロローグでもあるんだなぁと。
ここまでの物語を費やして、ようやく765プロにおけるぷよぷよの意味合いは、完全に固まったんじゃなかろうか。
そしてアイドルたちの有り様も鮮明になってきた。
ここからこそが、本編。
そんな風に思うのである。


で、一人一人について連々書いていこうかと思ったのだけど。
自分の筆力で一記事にまとめるのは無謀すぎたorz
というわけで、最も気になったアイドルについてさっくり思うところを。

伊織と美希 〜765プロってなんだろう〜

自分にとって今回一番印象的だったのは伊織である。
それは前話から続いた流れを受けて、という形なのだけど。


伊織は、別にパラマスに勝ちたい訳ではないのだ。
本人も今のところそれほどの実力がないことなど重々承知なのである。
それでも新堂に無茶を言ってでも、なんとかしたいものがそこにあるのだ。


そこまでして伊織が守りたいもの。
それはきっと、765プロなんだろうなぁと思う。


ぷよぷよによって様々に765プロは少なからぬ変化を続けている。
ぷよぷよが765プロの人間関係においてなくてはならぬほどの位置を占めていること。
であるにもかかわらず、律子がそこから離脱を宣言したこと。
それが伊織は嫌なのだと思う。


伊織は、みんなそろって765プロであり続けないと納得がいかないのだ。
だから、律子に無茶を承知でランキング戦を挑み。
また律子をぷよぷよに戻ってこさせるために、特訓をするのではなかろうか。
口ではかませ犬がどうこうと言ってるけれど。
ぶっちゃけて言うなら、それすら伊織にはどうでもいいのだと思う。


一方、対照的なのが美希。
765プロのアイドルたちは常に事務所にいる訳ではないから。
美希にとっては今回の社員旅行こそがやっと巡ってきた機会なのである。
「みんな一緒に大好きなぷよぷよが心置きなくできるね!」という。


動画内でも語られたように、美希にとって実はランキング戦そのものは単なるルール以上の存在ではなくて。
ぷよぷよそのものが大事で。みんなとその大事なものを共有できていればなおうれしいのだろう。
律子の実力を思えば、律子が根本的な次元でぷよぷよを嫌いな訳がないのである。
美希はそんな風に考えてるんじゃなかろうか。


だから、たぶん美希は律子のランキング離脱を伊織のような形では気にしてないのだと思う。
トーナメントで直接対戦できない残念さぐらいはあるかもしれないけれど。
最高の楽しみを仲間全員が認識してること自体が多分、美希の幸せ。


あまりの噛み合わなさっぷりにみてるこっちの胃が痛くなる。
二人とも本気なのだ。
伊織は現状のままでは765プロの大切な物が失われると感じていて。
美希はこんどこそ765プロのみんなで大切な時間が過ごせると信じている。
ぷよぷよをどこに置くか。それだけの違いなのに。
これほど決定的にすれ違ってる。

春香と千早 〜大切な物を探して〜

ぷよぷよもアイドルも中途半端な状態にあるのが、春香。
その状態のまま、パラマストーナメントを向かえてしまった。
このあたり、春香はつくづく主人公体質なんだな、と改めて思う。


おそらく春香は目の前の具体的な課題は見えているけれど。
もう少し広い視点での自分の望むもの。
辿り着きたいところの答えを見つけていないのではなかろうか。


ただひたすら、プロデューサーにもっと自分を見てほしいだけなんだろうなぁ。
だから、負けてランクが下がってプロデューサーに見限られるのはやだし。
それよりアイドルとしてもっとかまってほしいけど。
それだけなんだよね。その為にたどり着くべき目標が実感として把握出来ていない。
それは多分ぷよぷよでも、アイドルとしても。
あれである。目の前の人をほっとけなくて手助けしてたらいつの間にか世界を救ってしまう勇者と同じレベルで。
自分のことで精一杯なだけなのではなかろうか。



今はぷよぷよをきっかけにプロデューサーと接近した(?)千早に対抗心を燃やすしかないのだろうなぁ。
それでいて、千早の弱点に気づいても仕掛けられないあたりはやはり春香らしいなぁとも思うのだけど。
多分、探しているものはパラマストーナメントの真っ最中に見つけるのではないだろうか。
なんとなく、そんな気がする。


そして千早。
こちらは逆に、目的がものすごくはっきりしてる。
ぷよぷよについては小鳥さんという目標が見えているし。
アイドルとしてのビジョンも、千早の中では至ってシンプルな未来図しかないのではなかろうか。


プロデューサーに教わった5連鎖をひたすらに磨く。
そうしている間は、道を共に歩いている人がいると感じられるから。
ぷよぷよで小鳥さんに勝つ。
そうすれば、自分が確信している小鳥さんの歌の素晴らしさを証明できるから。


この削ぎ落としまくった思考回路が千早の強みでもあり、弱みでもある訳で。
どうなっちゃうんだろこの子は、と一介の千早スキーとしては思う。
多分どうしようもないんだろうなぁ。
探しているものを、短絡的に決め付けることでしか走り続けることが出来ないのかもしれない。


本当は、千早こそ自分のことをちゃんと見てくれる人が必要なのだと思う。
その点では春香と同じ。
ただそれがプロデューサー云々という具体的な形を取らない。
春香はまっすぐに幸福を願っているけれど。
千早はつらい場所から逃げ出したい。自分の唯一のものである「歌」で世界が満たされてほしい。
この自分の位置づけの違いこそが、二人の差異を生んでいるのだと思う。



アイドルたちの在り様 〜アイマスから繋がるもの〜

さて、こうしてぷよm@sにおける4人の在り様を眺めてみると。
伊織は自分で道を切り開き、大切な物を守るし。
美希にとっては、世界は面倒事が邪魔するけど、基本的には幸福な場所で。
春香はまっすぐに自分の夢を追いかけ続けていて。
千早はつらい場所から抜け出すために、自分のできることを愚直に続けている。


ああ、アイマスだなぁ。
実に平凡な感想だが、そう思った。
ぷよm@sは、介党鱈Pによって語られるもうひとつのアイドルたちの戦いである。
アイドルたちが本気であればあるほどに、その世界は元々アイマスが内在させていた物語と重なる。
もちろん律子の位置づけとか諸々の、異なる点はあるのだけれど。
少なくとも上に書いた4人に関しては。
そこに描かれた視界は、ゲームの中でトップアイドルを目指す彼女たちと何一つかわりはしない。


極端なことを言えば、パラマストーナメントをアイドルアルティメイトに置き換えてみればいい。
少なくとも、自分はなんの違和感も感じなかった。
それでいいのかアイドルたちよ、と視聴者的に暢気なツッコミを入れていたい気もするのだが。
もう抜き差しならないもんになっちまってるからなぁ。ぷよぷよが。
アイドルに本気であるように。ぷよぷよにだって本気になれるのだ。なっちまったのだ。
そこがこの物語の素晴らしさなのだとつくづく思う。


我々が普段馴染んだオーディションの熱量とまったく同じものが、ここにある。
だからこそ、重い。しんどい。
アケマス経験者なら多分実感もあるんじゃないだろうか。
無印経験者ならノーリセットの一周オンリーのプロデュースをやると想像してみてくれ。
ここにあるのは、そういう物語だ。
だから、胃をキリキリさせながらも。
俺は拳を握りしめて、応援するしかないのである。


逆に、自分は介党鱈Pが描くアイドルアルティメイトが観たいとすら思った。
ぷよm@sで描かれている世界の本気っぷりは、そういうことなのだ。
いつかもしぷよm@sが完結したら。
アナザーサイドとして、まったく同じ流れの中で彼女たちがどんなアイドル活動をしていたのか。
そちらをメインに描かれてほしいなぁ。そう思う。




ちと熱が冷めないので、パラマストーナメントで楽しみにしてる二枚のジョーカーについて最後に。


一枚目はもちろん律子。
直接トーナメントに関わるかはわからないけれど。
このままですませる伊織ではないだろう。
伊織はいつだって自分で道を造れるアイドルなのだから。
伊織がどんな形で律子に手を差し出すのかはわからないけれど。
その手はきっと誇りに満ちていると思うのだ。


その差し出された手に、律子が応えることはあるのだろうか。
ひょっとしたらそれはずっと先の、別の話になるのかもしれないけれど。
心の底から、楽しみにしているのである。
何気に伊織と律子って、いいコンビだと思うので。


そしてもう一枚。こちらはもう妄想レベルの話なのだけれど。
ぷよm@s最強最後の中二病患者である、Pの存在である。


律子に言ってのけたあの台詞を、自分はまだ忘れられないのだ。