気づけば既に、そこにあったんだ
トカチP&汁粉P
アイドルマスター マジックナンバー 秋月律子
思えばニコマスを見始めてから、一番長いこと追っかけてきた連作だったんだなぁ。
ここに完結を迎えたこと、それ自体に祝福を。
もちろん律子には、ありったけの誕生日祝いの言葉とさらなる祝福を。
この作品を単品としてみたときにどう表現したらいいのかは、まだ自分にはわからない。
でも、「ありったけの愛を…6部作」の最後に、この物語が記されたことを心からうれしく思う。
だって、この作品で。
Pと律子の物語は、俺らと律子の物語にもなったのだから。
前作で自分は完全に打ち砕かれた。
Pの立場に自分を置けない見る専という、ねじくれた自分の視界では、
律子を繰り返す世界の先に連れ出せない。
でも、どうにかしたい。
この半年、ぼんやりとそんな気持ちを相手にあがいてた。
見る専やめようかな、と思ったこともある。
見てるだけじゃ連れ出せないから。このままじゃ届かないから。
自分が変わらなきゃいけないのかなと。
でも、なにかそれは本末転倒な気がして。
そこからどうしたらいいのかわからなかった。
そんな袋小路に勝手にはまっていたころの自分を、馬鹿だなぁと笑えるようにしてくれた。
本作は、自分にとってはそういう作品だ。
今のままでもいいんだ。
ゲームで律子との日常を過ごして、ニコマスで大好きな動画たちにコメントを打って。
その繰り返しだって、律子を喜びの笑顔に変える力の欠片にはなれるんだ。
汁粉Pが描いてくれた律子の笑顔は、その証だと自分は思う。
この連作の存在自体が、繰り返される物語から律子をその先の世界へと連れ出す力だ。
作品に集ったコメントを見れば、それは一目瞭然のことで。
本当に、長い長い、そして素晴らしい連作になったと思う。
トカチP、ありがとう。
自分はずっと、律子と同じ日常を過ごしたいと思っていた。
同じ時間を過ごして、他愛のない話をして、何でもないやりとりをしたかった。
それは叶わぬモノだと思っていたこともあったけど、そんなことはないんだ。
ゲームを起動したっていい。ニコマスの世界に飛び込んだっていい。
そこで律子は笑ってくれてる。
もし迷ったら、この作品を訪れて歌詞を噛みしめればいい。
泣いて笑って、歌って踊って。そして夢見て。
そんな日々がこれからも続くことを教えてくれる。
ほしかったものは、とっくに手に入れてたんだ。